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災害救助犬とは |
災害救助犬への理解を深めるために、救助隊との連携訓練の必要性、海外の先進国から学ぶ、実働における教訓、救助犬チームの信頼への道筋などの消防救助隊向けの資料があります。 ご希望の方は本部事務局まで。 |
災害救助犬は、いつどこでも完ぺきな要救助者捜索作業ができる訳ではありません。そのウイークポイント、特性を踏まえた上で活用することが、効果的な貢献ができると思っています。 お問い合わせは本部事務局まで。 |
災害救助犬Q&A |
Q1:救助犬の名の由来は何ですか? | 17世紀中期、スイスのアルプス山脈に住む修道士たちが、自分たちの飼っていた犬を、雪山で道に迷った人や、動きのとれない登山者達を捜索するために訓練していたことから由来します。 |
Q2:どんな種類の犬が救助犬になれますか? | 犬種、血統は問いません。ただ、病弱な犬や意欲、気力のない犬は不向きです。大事なのは犬の能力と性格です。 |
Q3:救助犬に向いている犬種は何ですか? |
ジャーマン・シェパード、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバーベルジァン・マリノア・シェパード、ボーダー・コリーなど警察犬、牧羊犬など歴史を持つ犬種が向いています。しかし、この犬種でなければという規定はありません。阪神大震災に出動したスイス隊には、いろいろな犬種類で任務にあたっています。 |
Q4:救助犬に向いている性格は? |
1.人や他の動物に対して、攻撃性がないこと。 |
Q5:どうしてそういう性格が必要なのですか? | 救助犬の仕事場は、山岳地域や原野、家屋が倒壊しているような足場の悪い状況です。そして、様々なレスキュー活動の人がたくさんいて、たいへん混乱していますし、その人たちの匂いもいっぱいです。そのうえ、火災跡の煙やニオイ、消防車や救急車のサイレンの音、ヘリコプターの騒音と、大混乱の状況の中でも、救助犬は集中して人間を捜索しなければなりません。そのために、こういった困難に直面してもあきらめない勇猛果敢な犬でないといけないのです。 |
Q6:警察犬と救助犬の違いは何ですか? |
警察犬…犯人や特定の個人の匂いを覚えさせて、かすかに残った匂いをたどりながら犯人を追いかけます。 |
Q7:訓練はいつごろから始めるのですか? | 生後60日を頃から 専門的な基礎(服従)訓練は、それから始めるのがよいでしょう。 平均的には2才までに救助犬になることを目標に訓練していきます。 |
Q8:救助犬はどうやって人を発見するのですか? | 人間より数千倍とも数万倍と言われる優れた嗅覚を使って、人の目では見つけにくい人を捜しだします。行方不明者を発見したら、その場所で大きな声で吠えたり、ひっかいたりして知らせます。 |
Q9:救助犬はどんな訓練をしているのですか? | 1.犬と人がおたがい信頼できるように訓練:人とのスキンシップ 2.服従訓練:指導手の指示に従うように訓練 3.環境訓練:特殊な環境やさまざまな現場で、状況に応じた捜索作業ができるように訓練。 4.救助訓練:生存者を正確に発見して、発見後に指導手へ吠えて知らせることができるように訓練します。 |
Q10:訓練を持続させるのに必要なことは? | 指導手の優しい(厳しい)掛け声や、体を撫でる事、ボールなどで遊ぶ事によって、犬の捜索意欲を刺激して続けさせます。 |
Q11:食べ物はつかわないのですか? |
訓練中に、常に食べ物を使えば、捜索中に注意力が分散することがあるので薦めることはしていません。初歩訓練時には食べ物を使う事があります。ただし、指導する人の錬度が必要となります。 |
Q12:救助犬が試験に合格するまで、どれぐらい費用がかかりますか? | 一般に訓練は生後6ヶ月ぐらいから始め、18ヶ月で基本要素を訓練することができます。約1歳半~2歳ぐらいで救助犬の資格を取ることができます。しかし期間は、犬の能力、性格によっても違いまので、費用固定ではありません。また、認定されたから、終わりではありません。むしろ、それからが能力を維持する事が大変かもしれません。 |
Q13:救助犬の訓練をする場所はどんなところで行いますか? | 考えられるさまざまな現場を想定して、瓦礫の下や草むらの中、季節によっては雪の下、材木置き場や工場等、いろんな状況に対応できるように、いろんな人に協力してもらって、いついかなるとき、いかなる人でも発見できるように訓練します。 |
Q14:救助犬になれる確率はどのくらいですか? |
無差別に選んだときは、100頭の犬の中に、8頭ぐらいの犬が救助犬に適していると見られます。この8頭の中で、完璧な救助犬になれるのは、4頭ぐらいです。ですから、成功率は4%ぐらいです。 |
Q15:救助犬先進国では認定基準はありますか?日本ではどうですか? |
救助犬の先進国である欧米では、すでに認定基準があります。 |
Q16:先進国の救助犬機関では、クラスの分類をしていますか? |
分類されています。大枠は以下の様に分類されています。 |
Q17:試験を受けるときに必要なことは? |
指導手は18歳以上の心身ともに健康であること。 |
Q18:どんな審査課目で審査していますか? | 基本服従態度、ハシゴ、トンネル、シーソーなどの障害物通過。 災害想定現場での捜索作業。山野での行方不明者捜索作業等に基づいて審査します。何れも指導手の指示のもと、犬には楽しい作業で自主的に作業をする意識があることが重要です。 |
Q19:合格した後も訓練を続けるのですか? | 合格した後でも、必ず訓練は続けなければなりません。訓練を続けないと、救助犬の能力・意欲が低下します。 |
Q20:資格の期間は? | 救助犬の能力維持、指導手の救助犬育成意欲向上につながるので 認定期間は2年間としています。期間経過後は再受験となります。 |
Q21:どうして永久ではないのですか? |
救助犬の先進国の欧米では、捜索能力を確保するために8歳以下の救助犬は、3年に1回再審査を受けなければなりません。ネットワークでは8歳以上でも区別はしませんが、それに準じて定期訓練会で能力をチェックしています。 |
Q22:救助犬はどんな現場で捜索できますか? |
1.地震等で建物が倒壊した現場。 |
Q23:捜索作業に影響する要素は何ですか? |
1.風向き |
Q24:どれぐらい捜索を続けられますか? |
集中力が続く約20分ぐらいです。休憩をとった後、続けて捜索することは出来ます。3頭交代で捜索すると4時間ぐらい続けられます。 |
Q25:嗅覚は、どれぐらい遠くまでわかりますか? | 風のない広い場所では10mぐらいまで。風のあるときは、風下なら数百mも不可能ではありません。雪の中なら深さ約2~3mぐらいですが、隙間があり臭いがとれる状況ならばかなり期待できます。 |
Q26:救助犬は何歳ぐらいまで働けますか? | 救助犬の働き盛りは、3歳~8歳ぐらいまでの間です。8歳以上でも認定に合格した犬は続けることが出来ますが、体力的に難しくなりますので現場を選んで作業をさせます。 |
Q27:救助犬はどうやって生存者と遺体を判別するのですか? | 人は亡くなってから8時間ぐらいは、まだ生きている時の臭いがします。救助犬はこういう臭いに対しては敏感で、行動も積極的に吠えてしらせますが、人は死んでから8時間以上経つと、遺体臭になり、そういう臭いに対しては戸惑う姿を見せます。これらの犬の反応を災害現場で正確に見分けられる指導手であることが大事です。しかし、災害発生後、生存者を一刻も早く救助する事が最優先であり、それを救助犬に専念させなければなりません。 |
Q28:救助犬の住環境はどんなところがいいのですか? | 災害時を想定して、災害現場の悪い環境に適応させるため、普段から一頭ずつ専用輸送箱に住ませる事がベターです。訓練や仕事を終えた後も輸送箱(バリケン)の中で安心して休ませる事が一番です。 |
Q29:救助犬は人を咬んだりしないのですか? | 咬みません。救助犬は、人や犬に対して脅迫性や攻撃性を持っていない事が前提です。 |
Q30:合格する前に災害現場で捜索させることはありますか? | 救助犬は受験、認定されたときから「救助犬」となる訳ですから、合格する前に捜索現場で作業はさせません。それは社会、被災者の家族に対してもよくないことです。 |