活動報告
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 2007年

  夏季合宿訓練会 2007年7月14〜16日 富山県雷鳥バレースキー場

 台風が接近してきており、開催が危ぶまれたが欠席者もなく47名が参加し予定通り行われた。
 午後、らいちょうバレースキー場の協力でゴンドラに乗って標高1188mへ、あいにくの濃霧ではあるが、絶好の捜索環境のように思えた。広いゲレンデであることは何となくわかっているが、視界は20m程でどのような地形なのかも把握できなかったが、人間には見えない状況でも、犬たちはヘルパーを捜し当て吠えて知らせてくれた。それを手がかりに要救助者の位置を確認できた。まさに実践的訓練である。



濃霧の中の捜索訓練


ゴンドラ頂上で捜索訓練



ゴンドラで8分間の空中漫歩


頂上から見たスキー場

 都市型災害だけでなく、実際には、山菜取り、登山者等の捜索要請であるから、ゴンドラに乗って山野を捜索することも犬にとっては貴重な体験である。
 一夜明けて風雨はおさまり、早朝6時から、臭気分別くんの初披露で訓練課題をそれぞれがもち、中級、上級別に山野捜索訓練、その脇では捜索訓練の初歩的なものを行いながら有意義に午前中の日程を消化した。
 プロの訓練士が10名も参加していることもあり、各地域で行っている日常訓練で修正できなかった点、気づかなかった点等を的確に補正できるのも訓練会ならではのメリットであろう。災害救助犬の認定審査会も初めてこの地で10月に行われることが予定されており、参加者は真剣に訓練に取り組んでいた。



初歩捜索訓練


山野捜索訓練風景



服従訓練指導(鈴木訓練士)


服従訓練指導(池澤訓練士)

 災害救助犬に限らず、使役犬を現場でコントロールするためには服従は欠かせられない作業である。服従に終わりはない、とも云われるぐらい大切な基本訓練である。服従あっての捜索作業である、とのことで日本屈指の訓練士が3ヶ所同時並行で服従指導を行った。いつも指導を受けている視点は違い、あらためて気づかされた点もあったに違いない。
 しかし、指導とはいえ決して強制ではなく、参考意見の形式で、どのように消化し取り入れるかは指導手如何である。観客としてみていると贅沢で不思議な光景のようにも写る。指導者もボランティア、受講者もボランティア、共に救えるはずの命を救うために、協力し合う仲間でもある



服従訓練指導(大原訓練士)


夏季訓練会参加者の顔ぶれ

■臭気分別くん
 臭気分別くんは理事長考案の捜索訓練器材であり、一般にはこの夏季訓練が初披露であった。3つのBOXにはヘルパーは1人で、そのBOXから呼気をほかのBOXへ、体臭をもう1つのBOXへ分別し果たして犬はどのBOXへ反応を示すのか!?多くの犬はヘルパーの手足が見えるにもかかわらず呼気BOXに反応を示した。次いで体臭BOXであった。この結果を見て指導手は、どのように感じたのであろうか。実戦で役立つ犬を作るにはどうすればよいか、今後の訓練の方法を示してくれるものである。



臭気分別くん初披露


人がいるBOXは後になった

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新潟中越沖地震 2007年7月16日〜17日 2日間延12頭17名

 夏季合宿解散の日の朝、ほとんどの参加者はそれぞれ帰路に着いていた。その最中に新潟中越沖地震の一報がはいった。
 詳細はわからないが、倒壊家屋もありかなり大きな災害であることはラジオニュースで確認はできた。帰路途中すべての仲間に連絡を試みたが、やはり携帯電話は通じにくい。それでも互いにかけ続け取り敢えず富山に集まることにした。
 地震発生は10時13分、4頭6名が13時前に先発隊として柏崎に向かった。北陸道は糸魚川から通行止めになっていたが、富山県警に先導してもらい北陸道から16時30分柏崎に入った。すでに3つの災害救助犬チームが到着していたが、対策本部で行方不明者はいないということから解散しかけていた。



富山県警の先導で北陸道を柏崎へ


災害対策本部で情報収集



情報集のために中心部を探索


倒壊した塀の移動を頼まれる

 しかし、対策本部の情報は錯綜いるようで正確な情報発表までに待つことにした。和歌山からの2頭2名も合流し、古い町家がある地域を捜索し自分たちで情報を集めることにした。
 日が暮れた20時頃、犬を連れて歩く私たちを見つけた一人の男性が「父が朝の散歩から帰ってきていない」「捜してほしい」と言ってきた。もちろん警察にも依頼はしていたらしいが、未だ混乱で捜索には至っていないらしい。
 男性の自宅から散歩コースと思われる道を辿りながら、約2時間探索した。22時30分頃、家屋倒壊の下に人がいるとの情報が入ったが、それは女性で歩道にいたところへ店舗が倒壊して埋もれたらしい。これで行方不明者は2名となり、対策本部も色めきだった。私たちの存在を知った消防から合同で捜索活動を求められ、道に倒れだしている十数件の家屋を集中的に捜索したが、それらしき反応は示さなかった。当日は混乱もあり深夜2時まで捜索し続けて犬も人間も疲労困憊だ。まだ男性は見つかっていない。明日も引き続き捜索をしてほしいとの要請に仲間の応援を求めることにして、この日は消防署で仮眠した。



行方不明者はゼロだが残ることにした


一人目の行方不明者発見での救助作業



土塀の家屋がすべて倒壊していた


可能性を求めての掘削作業

 翌朝に富山、長野、東京から4頭6名が到着し、消防が受け持つエリアの倒壊家屋を前日と重複してすべて捜索した。すべてゼロ回答に等しい結果だったが、現実に行方不明者が発見されていない。その可能性として気になる箇所があった。生存ならば、犬は反応するはずだが、遺体ならどうなのか、複数の犬たちの微妙な仕草に戸惑いながらもレスキューに伝え、消防の判断で倒壊家屋を掘り返し始めた。発生から30時間、一人の行方が不明なのは現実である。マスコミ、見学者らが注視する中、突然ブルーシートが張られ、発見かとどよめきが起こる。私たちも自信があるわけではなかったので半信半疑で見守った。しかし、そこには誰もいなかった。そうした掘り起こし作業をすべての家屋対象に行うことはできないので、レスキュー隊は確認してゼロ回答も欲しいとということで、他の家屋も夕方まで捜索したが、すべてハッキリと「ここに人はいない」と伝えられた。しかし、行方不明者が現実にいる。後ろ髪を引かれる思いで帰路についた。



道路に倒壊している家屋の確認作業


掘削の必要性のないゼロ回答も必要だ

 翌日夜半に一名発見とニュースで流れたとき、出動した人は、どの場所であるのかドキドキしながら見ていたという。もし、ゼロ回答の場所であったら、私たちが捜した場所であったら、と自分たちの存在価値すら失いかねない状況である。そして発見されたのは、広域警察が捜索していたエリアで、私たちの情報にはなかった菩堤寺の境内からであった。しかし、情報にはなかったというより、収集すれば立ち寄り可能性のリストになる場所であり、捜索エリアの対象とするべきところであった。混乱しているからと云い訳をせず、捜索する者、情報収集する者、指揮、判断する者等がチームとして冷静に行動しなければならない。この他にも私たちは、反省すべき点が数多くあり教訓としなければならない。出動した人それぞれに反省点はもっているはずだが、チームとして、組織として、今後の災害に役立てるようにするために、参加者以外にも共有できる教訓、マニュアルを議論の中で導き出して、「備えよ常に」を肝に銘じるべきであろう。



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  宮城県美里町防災訓練 2007年7月26日 美里町青生小 3頭8名

 宮城県北部地域は2003年に震度6を経験し、被害も出しているため防災訓練に参加した住民も真剣である。(岩手宮城内陸地震2008.6.14震度6)
 宮城県での行政との合同訓練は初めてということもあり富山から4名が応援に参加した。前日には主催者との打ち合わせ、限られた時間の中で段取りよく、犬が作業してくれるかは進行係は心配らしい。
 防災啓発訓練でもあるので見せることも必要なのである。
 結局、20分ほどの災害救助犬が作業をする時間帯は当方でマイクを持ち、作業の説明を行うことにした。
 捜索作業の他、服従、障害作業のデモも行い、住民、担当者の方々に災害救助犬を理解してもらう機会となったように思う。災害で行政との連携は不可欠であり、今は広報的側面であっても参加すべきものだろう。



明日の打ち合わせ中。大丈夫ですか?


ちゃんと見つけましたよ!



出演者の紹介、よろしく


得意なハシゴ登り



服従のデモ!緊張しています。


閉会式

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  富山市八尾町 2007年8月1日〜4日 3日間延9頭13名

 8月1日北日本新聞に行方不明の記事が出た。近郊なので警察に確認したところ、3日間で捜索は打ち切ったので家族と相談してくれとのことであった。
 訓練所の裏山であったので現場に出向いた。近所の人々らと捜索していた。警察犬もヘリも捜索したが発見できず、家族は途方に暮れ、藁をも縋る気持ちで「協力してください」と言われ何か役に立てればと、すぐに応援要請し当日は2頭3名、犬が入る範囲は他の人々は避けてくれた。車も帽子、手拭いも残され、70歳の年齢を考えれば必ず付近にいる。絨毯捜索で山中は歩きやすくなっている。家族の考える範囲は4日間くまなく捜した。ということで8月2日は近所の人も休息日となったが、家族は途方に暮れ占い師さえアドバイスを求めた。私たちも再度協力依頼され、3、4日は富山、京都、三重から応援が駆けつけた。何か見落としていないか。遺体かもしれないので僅かな犬の反応を注視しているが、全く手掛かりが見つからない。家族もこの付近には居ないということに結論づけ捜索活動は打ち切られた。
 私たちは延べ9頭13名であったが、近所の方々は延べ300名余りでかなり広範囲集中的に捜索協力していた。打ち切り後は、家族だけで捜していたらしく捜索エリアの橋から50m上流の川面で発見された。発見場所を知らされ、犬の能力よりも、人間の推理、思い込みを優先し捜索しているならば、災害救助犬の活用は無意味に感じる。



車両発見場所。ここからどこかへ


帽子発見場所





手がかり求めて救助犬と捜索


近所の人々らの捜索会議

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  防災&ヘリフェスタ 2007年8月25/26日 クロスランド7頭8名

 この催しに参加して以来8年になるが、組織的な紆余曲折があっても、今年も参加要請があった。私たちにとっては、クロスランドおやべは温かい支援者でもある。2日間で午前午後の2回のデモがあるが、案内があれば多くの観客が集まってくれる。服従、障害のデモと観客の子供にヘルパー役を呼びかけて捜索のデモを行うが、吠えられておびえる子供もいるが、喜んでまたやってみたいようだ。
 また、その後のふれあいコーナーでは、シェパードやラブラドールに直接触れることできるので好評であるが、犬は戸惑っていると思う。そして、猛暑で屋外での待ち時間も辛いことなのだろう。私たちもテントの下での一日は辛いものがあるが、大切な広報活動なので笑顔を忘れずやりましょう。



まずは人犬ともに自己紹介


脚側行進ちゃんと横について歩きます



隠れた子供発見ワンワン!


触れ合いタイムで犬はモミクチャ状態

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  木彫サミット 2007年8月26日 富山県南砺市瑞泉寺 2頭3名

 富山県井波は欄間などが伝統産業が有名であるが、今回は全国から木彫の職人が井波に集まり、様々なイベントが行われる中、盲導犬をモデルに彫ってみたいと主催者からの要請に、坂井前理事長は災害救助犬も一緒に参加できるなら、ということで実現した。災害救助犬の他、盲導犬の訓練士でもある坂井前理事長自ら盲導犬のデモを行った。主催者である木彫サミット実行委員会には募金でも協力いただいている。


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  福井県防災訓練 2007年8月26日 九頭竜川河川敷 2頭4名

 3年間、NPO法人日本災害救援飛行協会と合同で福井県の防災訓練に参加している。福井県に災害が起こり、空から家屋倒壊の被害状況を確認して、災害救助犬チームに情報伝達、また交通規制の状況によっては富山から福井まで救助犬を空輸して対応できるようにするというもので、この日も災害救助犬を小松空港から福井まで空輸して訓練に望んだ。
 現場では、広域警察隊とチームを組み、行方不明者の情報をもとに、まず災害救助犬が捜索、発見し、2頭目で確認、生存者がいることを報告すると救出作業が開始され無事救出された。
 むろん災害地では、このように想定通りには進まず混乱するだろうが、こうした行政機関との合同訓練は広く理解を深めるためのデモストレーションの意味合いもあり、また行政、警察レスキュー隊等との日常的な交流、連携、情報交換を深めておくことは、災害時の要請、チーム編成時には「災害救助犬」が認知され役に立てる時が来るのではないだろうか。



セスナに乗って富山から福井へ


広域警察隊とチームで1頭目で発見!



2頭目の確認作業に入ります


発見後の救出は自衛隊に託す

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  鈴鹿山系鎌ヶ岳 2007年8月13日 2名

 8月11日中高年の男女が宮妻峡から水沢峠、鎌ヶ丘、宮妻峡へと歩く日帰り登山であった。(登山届け記録)
 当日、夕刻に女性は自宅にまもなく下山の電話をかけているが、夜になっても帰宅せず、翌朝、捜索届けが出された。登山クラブ員ということもあり、十数名の仲間も登山道沿いの捜索に出たが発見に至らず三重県山岳連盟に協力を求めた。
 私たち災害救助犬は、数年前から合同で行方不明者の救助訓練を行ってきたので、連盟から協力依頼がきた。しかし、当日の捜索エリアは登山道ではなく沢を中心に捜索するというもので、犬連れは不適であり、不参加申し出たが、人だけでもと協力依頼されたので、山岳捜索経験者2名が参加した。
 朝6時、消防、警察、山岳救助など100名ほどが参加し、それぞれのエリアに捜索に入った30分後、カズラ谷を遡っていたチームから発見の一報、男性死亡、女性意識ありという。どうやら谷へ滑落したらしい。私たちは遊撃対として直ぐ側にいたので応援に向かった。現場は20m直下、狭い谷でヘリが降下できないかもしれない。あるだけのロープ、マット等をかき集め生存者の救助に努めた。2時間後に防災ヘリは上空にきたが霧と樹木で現場が確認できない。発炎筒も役に立たない。ヘリの苛立ちは傍受できるが交信はできない。30分程現場の安全を確認、旋回しロープ降下してきた。まず生存者を続いて死亡者を抱きかかえてヘリに収容し搬送された。災害救助犬は活用していないが、生存者から礼状が届いている。このような捜索要請にはどのような形で協力すべきか。この秋にも合同訓練が予定されているが、犬より、まず指導手の体力、技術、判断力が必要か。





発見!生存1名


生存者のヘリへ吊上げ作業

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  四日市市防災訓練 2007年9月1日 四日市市内部中学校 4頭6名

 この時期は防災週間ということもあり、各県各市町村で防災訓練が行われる。災害救助犬もネットワークが機能しなければ、集中する各行政への防災訓練参加は実現できない、三重県、四日市市とも交流もあり、災害救助犬への理解もあるので、毎年、災害救助犬の役割を捜索設定していただいている。
また、南海大地震の確立も高くなり太平洋に面した三重県は、官民とわずあらゆる手立てを積極的に講じている。当日は、三重、京都、富山、和歌山から4頭6名が参加したが、家屋倒壊の捜索時間は5分間という設定であったが、途中レスキュー隊が救助に入ってきて完全な捜索確認ができなかった。こうした制限のある防災訓練でも災害救助犬の特性を伝え、理解してもらいながら細かな打ち合わせも必要であるように思われる。



四日市市町ぐるみ防災訓練


参加した和歌山の仲間たち



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  桐生市防災訓練 2007年9月2日 桐生市さくら遊園 4頭8名

 桐生市消防との直接交流はこの日が初めてであり、当然事前の打ち合わせもなく、休憩時間を私たちに与えてもらいデモの機会を作ってもらった。
 当日は福島3頭4名、神奈川1頭1名、富山から3名が参加し、イベント的に見せるようなデモをおこなうことにし、シェパード、ラブ(ブラック、チョコ)、甲斐犬による4頭並列の同時服従作業には大きな拍手が起こった。確かに見応えがあるデモであった。実は、少し段取りミスがあったようだが、マイクを持って進行、説明しているのは当方だったので、修正しながら無事終えたようだ この日のデモが評価されたのかは定かではないが、僅かな時間ではあったが、この日がキッカケとなり、3ヶ月後には出動協定に結びついたのである。



テントで出番待ち


さあ、出番だ!



見応えある4列並列服従デモ


隠れるところを、見ちゃだめですヨ

 桐生市との縁は2007年1月、災害救助犬について詳しく知りたいとの1本の電話からであった。百聞一見に如かずと、TV,デモ、訓練風景などのDVDを送り、その一ヵ月後の2月23日、災害救助犬と協定を結び、災害に備えてはどうかと群馬県議会で一般質問され、理事から前向きな回答を引き出してもらった。当時は組織的な混迷もあったが、直接会った事もないのは無礼だと坂井ら3名で桐生を訪れた。
 最初に電話いただいたのは、犬大好きグループ「ななの会」の渋木由貴子さん、県議会で質問されたのは腰塚誠群馬県議であった。今も、過去も何ら利害関係のない人々である。唯一共通しているのは犬好きなことである。
 この初対面から話は急に進み、この日のデモにつながり、協定へと結びつくばかりでなく、多くの寄付、募金を多方面からいただいている。
 ここで感じられることは、巡り会わせがよかっただけでなく最初の応対の是非なのかもしれない。なぜなら他の組織とも話をされていたからである。
 私たちは、市民に支えられなければ成り立っていかないものである以上、無関心であっても支援者になりえると考え、真摯に接していかなければならないことを教えてくれた桐生の人々である




桐生中央ロータリークラブの皆さんと


ななの会の皆さんと災害救助犬ケリー

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  福井空港スカイフェスタ 2007年9月23日 福井空港内 4頭6名

 主催は福井県で、昨年に引き続き今年も参加要請してもらったのであるが、これは同じNPO法人でもあるNPO法人災害救援飛行協会の協力があってのことである。本来その名の通り飛行機やヘリコプターを中心としたイベントであり、災害救助犬は場違いのようだが、来場者はよく訓練された犬たちを見て喜んでくれているような感じだ。 
 今年は、主催者側の要望もあり、少し趣向を加え、坂井訓練所の協力を得て盲導犬と警察犬のデモも行った。直接交流できたり、喜ばれるのはやはり触れ合いコーナーである。広報的な役割として触れ合いが得手な災害救助犬が必要かもしれない。災害救助犬誕生から16年経つが、まだまだ社会的認知の低さを教えられるばかりである。



海上保安庁の人に撫でられて幸せゴロン


デモの始まりは自己紹介から




隠れた子供を発見です


シェパードとの触れ合いタイム

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  認定審査会 2007年10月26〜28日 富山県立山らいちょうバレー

 NPO災害救助犬ネットワークとしては第1回となる災害救助犬認定審査会が富山県らいちょうバレースキー場で開催された。



会場全景


雨の中での開会式

 参加頭数47頭、総勢75名が全国から集まる大きなイベントである。また、組織後1ヶ月余りであり、開催場所も初めてで、審査準備は大変であったに違いない、今回の認定基準は今までとは異なり、他組織の認定犬は継続審査ということで、今年から導入された「臭気分別器」による審査が行われた。この「臭気分別器」は犬がどのような臭いにいち早く反応するか、これからの日常訓練はどのように行っていけばよいのかを示してくれるものである。また、出動で遭遇する想定外の捜索に対応できるように訓練を行うにも効果的と思われる。



人がいるBOXは一つだけ


どこにいるのかな?




服従審査風景


障害審査風景



この雑木林に2名以上が隠れている


自然そのままの雑木林で捜索審査



雨の中でのガレキ捜索審査


ガレキ捜索審査をTV取材中

 2007年度は継続認定20頭、新規認定12頭計32頭が認定された。有効期間は3年間であるが、毎年、訓練会に参加が義務付けられている。これは以前からの指摘されてきた、認定後は目標達成感から認定前の訓練の情熱が低下する指導手に対し、認定の目的は、人命救助への実践出動であり、認定後も引き続き能力維持に努めてもらわなければ、認定が形骸化するとともに出動チーム編成に支障をきたすからである。
 当日は雨天であったためか、総体的に成績は芳しくなかったようだが、災害救助犬が天候を選ばないものであるなら、日常訓練からもそうあるべきかもしれない。2008年の認定審査会も10月この地で行われることになっているが服従審査会場以外は山野、瓦礫捜索会場とも新たな会場と折衝中である。



相談中?の審査員


NPO法人災害救助犬ネットワーク会員

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  全日本動物専門教育協会 2007年11月12日 日本武道館 3頭4名

 、全国の動物専門学校12校が加盟する全日本動物専門教育協会が例年開催しているトリミング・家庭犬訓練協議会のエキシビジョンとして災害救助犬の参加を要請された。
 加盟校で仙台にある日本動物専門学院(現アニマルインターカレッジ)には例年、災害救助犬の認定審査会では、ボランティア要員として協力いただいている。
 トリマーや訓練士を目指す学生が対象なので、当方も精鋭のデモストレーターに参加してもらった。
 福島からラブ2頭、神奈川から甲斐犬が参加、プロ訓練士がリーダーとなってマイクを持ち3頭同時並列の服従作業、BOXでの捜索デモには実際にBOXに隠れてもらい探し当てて見せた。いつも彼らが学んでいる家庭犬の訓練とはひと味違った感想を持ってくれたと思う。この中の一人でも災害救助犬に興味を持って、育成や活動に参加してくれればありがたい。



大きな東京武道館でのデモ


3頭並列脚側行進中の立止



3頭並列伏臥


脚側停座で待機



ワンワンワン!発見しました。


見事!発見です。

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  三重山岳救助訓練 2007年11月3日 鈴鹿山系雨乞岳 3頭5名

 恒例となった三重県山岳連盟との合同山岳救助訓練である。和歌山から2頭3名、三重1頭1名と京都1名が参加した。入山口から目的地まで1時間半、危険な箇所はないが犬を連れて歩くことは指導手の体力が問題である。また長時間歩いた後に目的地で犬を捜索モードに切り替えることも求められる。災害地での捜索とはいささか異なる。
 昨年もそうであったが、遭難者役は別のルートから現地へ向かう。目標地点から半径250mの範囲であることくらいはわかっているが、周囲には救助隊の人も多く犬にとっては難度が高い捜索訓練である。
 登山道から30mほど奥で2名の遭難者を発見できたが、10分ほどですぐ引き返す。厳しい行程だが現実的な訓練といえる。たしかに登山道から外れている遭難者の発見には犬の協力も一つの手段であろう。また能力に期待されているようだ。



捜索現場までひたすら歩く


川を渡り岩の上を行く



ちょっと一息?


往復3時間、犬より人間が・・・

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  街頭募金活動 2007年11月23、25日 三重県御在所ロープウェイ

 鈴鹿山系の主峰、御在所岳標高1200mへはロープウェイで簡単に登れる。そんな山麓駅で災害救助犬三重の仲間が観光客の方々に対して街頭募金を募った。構内なので御在所ロープウェイにも理解を求め協力いただいた。
 数年前には都会で街頭募金が話題となり、控えていたが依頼があれば赴くばかりでbなく積極的に災害救助犬の存在、活動をアピールすることは必要であろう。それに比例して募金もついてくるように思われる。
 2日間で¥66,979−協力いただきました。ありがとうございました。



ゴールデンウィークのロープウエイ


ロープウエイ乗り場前での街頭募金

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  出動協定締結 2007年12月12日 群馬県桐生市 3頭7名

 NPO災害救助犬ネットワークとして初となる行政との出動協定を2007年12月12日に桐生市と締結した。
 亀山豊文桐生市長は「いつどこで起こるかわからない災害に対して救助犬の活躍を期待しています」と挨拶、これに応えて、坂井理事長は「この協定に関してのスピーディーな対応には桐生市の心意気を感じています。きっと群馬県全体にその思いは波及いくはずです」と挨拶した。
 行政との協定は、桐生市に限らず、各地から何れかの災害地に向かう場合に、緊急車両としての扱いを受け易くなり、災害時の円滑な活動の支えとなると期待している。
 当日は富山から1頭4名、福島から2頭3名が桐生市へ向かい協定締結式に望んだ。その模様は、各新聞でも取り上げられ注目されている。 この時点でNPO災害救助犬ネットワークの会員は81名、2007年認定犬は32頭であり、充分な体制が整っているとは云えない。 私たちがめざす何れの地域においても対応できるネットワーク化の体制づくりを整えていくことは急務であるとあらためて感じる。



マスコミ向けの記念撮影


「桐生の心意気」と理事長の挨拶

 桐生市と交流が始まったのは1年程前からで愛犬家グループ「ななの会」渋木由貴子会長から腰塚誠群馬県議を紹介され、群馬県に対して合同訓練、協定の提案をしていたが、まず支援者も多い地元である桐生市を基点に広報を始めることになり、200792日に行われた桐生市防災訓練の休憩時間に組み入れてもらい、20分間のデモンストレーションを行ったことから、桐生市長が即断され今回の協定が実現したものである。
 協定式に先立ち、桐生市民会館において桐生市中央ロータリークラブから災害救助犬育成資金として8万円の寄付をいただいた。また「ななの会」からも200792日の防災訓練時には5万円、バザー売上から1万円の寄付をいただいいている。こうしたあたたかい支援者、市民の声が今回の協定締結を後押ししたとも云えるのだろう。
 協定締結式が終了後、午後4時から群馬県庁を訪問し防災担当者と懇談、桐生市の協定を参考に来年度事業計画で検討するとのことであった。協定行政区内に災害救助犬がいることは必ずしも必要ではないが、社会的な認知を定着させるためにも、空白地域である群馬県おいて、災害救助犬を理解してもらう活動をあらゆる機会を通じて行っていかなければならない。



桐生中央ロータリークラブからの寄付


桐生市の支援者との懇談

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