活動報告
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 2008年

  マキノウインターフェスティバル 1月26日 滋賀県マキノスキー場 2頭5名

 前々日まで積雪ゼロであったが当日は50cm積雪、スキー場も慌ててオープンしたほどだ。この地域は近年殆どスキーができない状態が続いていたので、雪のない条件でのプログラムが組まれていたので主催者側も困惑気味であった。今回はマキノ町観光協会からの要請で参加した。
 予定外の積雪でのデモとなったが、来場者は多いので楽しみにスタンバイしていたが、スキー楽しむ方や同時進行のほかのイベントで災害救助犬コーナーに集まる方はまばらであった。しかし予定通り進めるが、会場をスキーで横切る子供や吹雪で集中してできる雰囲気ではなかったが、無事終了できた。自然現象とはいえ、参加者の方々ご苦労様でした。



開会式


足場が悪くてもおまかせ



発見したよ


寒い中でのふれあい


  春季合宿合宿訓練会 3月29日30日 宮城県不動尊キャンプ場

 キャンプ場の協力を得て、昨年に引き続き、岩手、山形、宮城、福島、千葉、埼玉、東京、神奈川、三重、富山、京都から25頭23名が参加し1泊2日の日程で開催された。
 初日は、ABグループにわかれ山野捜索訓練、男女2名遭難者となり、山の上や森の中に隠れ、風下から捜索し始める。意欲的にヘルパーに向かう犬や、初めての現場に戸惑う犬もいたが、途中で諦めさせることなく捜索させて発見した成功を体験させていく。それでも成功の積み重ねが必要であるため、少し躊躇する犬には難しい捜索より、簡単な捜索で基礎訓練を復習していた。
 2日目は早朝6時半から、服従、捜索基礎訓練など指導手の希望を募り、8名の訓練士が指導を行った。朝食後は場所を河原移し、捜索訓練。男女2名が石の間や木道の下に隠れ捜索させた。参加したすべての犬が浮遊臭で発見したが、石の上を渡っていくことが不慣れな犬もいたが、指導者の話では非常に頼もしいとのこと。ここは食堂がないので、3食とも自炊であるが、ワイワイガヤガヤ楽しい時間。楽しくて二日酔い気味の人もいたらしいが、予定通り日程を終え、午後2時解散した。




キャンプ場の好意で貸切りでの訓練会


捜索場所選びからスタート



見つけて褒めて笑って下山


こんな斜面も登って探します


3月末でも東北の夜は寒い


これから長い楽しい夜が続く



大切な服従訓練指導


早朝、捜索基礎訓練



その下に隠れてますよ


わかっているけど岩の上が苦手だな



男女区別なくみんなで自炊


訓練終了後の記念写真

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  自主訓練会 5月24日 富山市八尾訓練場 9頭9名

 夕方からの総会前に宮城、三重、京都、石川、富山から集まった仲間で自主的に訓練を行った。山野の捜索はそれぞれの地域でも可能だが、ガレキ捜索や倒壊家屋の現場はなかなか身近にはない。そして各地の仲間との交流も含めてより実践に近い訓練は必要だ。
 3名の訓練士も指導に当たり、短い時間であったが楽しく貴重な訓練だった。八尾訓練場は宿泊も可能であり、もっと多くの人が積極的に活用してもらいたい。



それそれの訓練希望を取り入れて


雨の中みんな熱心に



ボールを早く出してワンワン


初めのガレ場にも臆することなく



ハシゴでなくても上手に登れます


犬はちゃんと見つけます

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  岩手・宮城内陸地震 6月14日15日 宮城県栗原市 6頭6名

 災害発生は6月14日午前8時43分、12時出動決定し、全会員に状況と参加可能者をメールで募る。
 宮城、福島の6名出動と後方待機の岩手8名を決定。15時現地入り。栗原市危機管理室災害対策本部にてボランティア登録する。14日対策会議にて被害状況と救助計画が決定された。
 救助犬の能力、ハンドラーの資質、食料、備品機材を本部と確認する。不足機材等(ヘリ着陸地点表記現場詳細地図)の提供を受け14 日は車中待機となった。翌日04時、本部指示にて帰路のヘリピックアップ地点を確認し、日の出とともに捜索に向かう。Aチームは自車にて花山総合支所の特設へリポートへ。自衛隊ヘリにて花山付近の高地着陸。5キロほど歩き、湯浜温泉付近の道路崩壊現場に8時着。救助犬訓練士協会4名3頭の計7名6頭にて臨時チームを組み、私たちがリーダーとなりローテーション捜索。1カ所3頭入れて2ローテーションで1頭休息とし、6カ所12ローテーション捜索する。埋没車両3台は目撃確認されているが他の埋没車両がないかを捜索。反応はしているようだが生体反応ではなく重機投入の判断材料とした。13時、自衛隊、警察含む全撤収命令にて捜索終了。Bチームは、本部先導にて陸路荒砥沢ダムへ。県警と共にダム北側の崩落現場捜索。釣り人等の埋没がないかの確認を行った。Aチーム15時 Bチーム14時本部に戻り状況報告。今後の捜索指示を待ち、16時救助犬解散。解散時の我々と本部の確認事項として、災害救助犬ネットワークに連絡を入れれば4時間以内で6人6頭。8時間以内で12人6頭の投入が可能である事。連絡可能である事を取り交わす。15日21時、栗原市危機管理室災害対策本部より、救助犬による初期捜索は終了することとなった。待機解除の連絡を受け、待機会員に捜索終了を連絡。会員にもメールにて状況を報告し、待機解除となった。
 意外ではあったが、地震の多発地帯である宮城県では行政の救助犬対応法がほぼ完成して活用に前向きだ。
 現実に行方不明者がいる事実を前に無念の思いであるが、あまりの広範囲な災害現場を見れば無力感も漂う。



ヘリピックアップ地点の確認


自衛隊ヘリに乗り込む



約10分のフライトで現地へ


崩壊捜索現場



ヘリ待ち時間に犬とともに休憩


ヘリのピックアップを待つ

 災害の度に教えられる。災害救助犬の能力は優れているが、扱う指導手、サポーターである私たちに不足しているものは多い。
 災害地での緊急装備品、長引いた場合の支援体制、自給装備、マニュアル、サポーターの数、さらには山岳を歩ける体力等々まだまだ実戦で役立つまでには訓練を重ねなければならないだろう。
 そして、他の救助犬団体とチームが組めたり、情報交換ができる協力体制も築いていかなければならない。
 こうして報告を行っている時にも行方不明者はまだ見つかっていない。しかし、心苦しくも栗原市危機管理室災害対策本部より栗原市復興式典にて協力者として花束をいただいた。

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  夏季合宿合宿訓練会 7月19〜21日 富山県らいちょうバレースキー場

 梅雨が明け、蒸し暑い都会の喧騒を忘れさせてくれるような立山山麓で今年も夏季合宿訓練会が開かれた。岩手、宮城、福島、東京、神奈川、長野、三重、富山、石川、京都、奈良から23名が参加、初日は、到着順にガレキ、山野捜索を3人指導者のアドバイスを受けながら熱心に自主訓練をしていた。
 夕食後のミーティングでは、前理事長から出動時の注意事項や心構え、これから準備するべき装備やチーム編成のあり方などが課題であり整備していかなければならないことを指摘され、全員であらためて確認した。
 翌早朝に開会式を行った後、各地で行われるデモンストレーションの進め方について3組が10分間のロールプレイングを行い、災害救助犬を認知してもらうための広報能力を身につける訓練した。
 午前中の涼しい時間にガレキでの捜索訓練、山野での行方不明者捜索訓練を実践を想定して行った。初心者にも意欲づけから、吠え続ける練習まで、犬のレベルにあった訓練までを訓練指導者から熱心に受けていた。
 私たちの組織はこうした災害救助犬の育成に関しては恵まれた環境にあるので、その環境を活かし、より多くの災害救助犬を育成していかねばならない。
 高原とはいえ、日中の陽射しは厳しいので3時まで昼寝タイムをとり、3時から、河川敷きに場所を移し、捜索訓練を行った。いろいろな場所、環境においても訓練成果を発揮できるようにすることは求められる。
 予定された訓練メニューを消化し、その夜は、難しい話をせずワイワイガヤガヤと楽しい時間を過ごし、翌午前解散した。




開会式(新理事長挨拶)


ガレキでの捜索訓練



さがせ!


山野捜索訓練



さぁ仕事だよ


デモンストレーションの訓練



指導者が見てると緊張しますね


採石場にて捜索訓練



これから災害救助犬になりま〜す


いつもの集合とは形を変えてパチリ

夏季合宿訓練会を終えて
 梅雨明け直後の猛暑。犬にとっては厳しい条件での中で、すばらしい作業をする犬が何頭かいました。作業意欲が強いから暑さの中でも作業が出来たのだと思います。訓練初歩の段階で捜すことの楽しさをしっかりと経験し、その延長線上に作業があり、結果として確実な仕事となっている犬です。あらためて訓練初歩の段階にヘルパーを捜す事を楽しくさせること(作業意欲)の大切さが必要だと思いました。
 初歩の犬が多かった今回の訓練会では、場所が変わりヘルパーが変わると自信がなくヘルパーを怖がる犬が何頭か見受けられました。ほとんどの場合が、犬の恐怖心を取り去ってあげる前に、また、犬がひとつの作業に自信を持つ前に練習の難易度をあげてしまうのが原因と思われます。その結果、犬の自信を失わせている様です。訓練の段階を急に上げずに犬が自信を持ってヘルパーを捜しに行ける様、何回も初歩の段階を繰り返し練習する事が大事と思われました。訓練初歩、基本の時期での取り組みを大切にしてほしいと思います。
                    訓練審査部 大原茂雄

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  桑名市防災フェア 8月9〜10日 三重県桑名市メディアライブホール 2頭3名

 伊勢湾で採れる蛤で有名であった三重県桑名市。今は中京工業地帯となって蛤は採れないが、お土産はやはり蛤の佃煮であるらしい。その蛤の佃煮屋さんのご主人が会長を務める桑名防災支援ネットと共同で公募参加した。桑名市危機管理部防災対策課の主催で、参加しているのは防災用品の展示など大人向きで夏休み中の子供には不向きかも知れない。そんな中で災害救助犬は子供たちには人気があったようだ。デモが始まる時間が近づけば子供たちが増え始める。2日間で延べ1千人ほどの入場があったようで20分間のデモンストレーションであったが、初めて見る人も多く災害救助犬の広報には少しは役立ったように思える。



イベント会場


20分間のデモンストレーション



服従デモ


捜索デモ



子どもたちは犬好きだ


ふれあいコーナー

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  防災体験・学校に泊まろう 8月23日 富山市熊野小学校 3頭3名

 いざ災害となれば、避難場所となる学校で、避難生活が続くことを想定し、PTAが主催した「学校に泊まろう」という催しが行われた。親子約100名が参加し、初日は起震車や消防はしご車に乗ったり、消化放水などの体験など防災に対する意識向上のコーナーの一つとして災害救助犬のデモを行った。その様子は夕方の地元ニュースにも流れた。
 災害救助犬ネットワークから富山、三重、京都から3頭3名が参加し、災害救助犬の誕生からその特性、訓練・活動の状況、活動への支援のお願いなどを説明しながら、服従、障害作業を、捜索デモでは子供たちに遭難者役をしてもらいながら、災害救助犬への親しみ、理解を深められればと願った。またPTA主催者の協力で受付では募金活動も行い、多くの支援をいただいた。
 しかしながら、災害救助犬を知っている人は意外に少なく、まだまだ広報活動が不足していることを感じた。地域のイベントの情報にも敏感になり、さまざまな機会を通じて私たちから積極的に参加していかなくてはならないのだろう。また、参加で得られた情報や反省点なども組織として共有し、災害救助犬の育成・活動が一般社会に認められるようにしたい。




イベント開会式


会場での募金活動



服従作業デモ(脚側行進)


障碍作業デモ(ハシゴ)



捜索デモ(ワンワン、見つけたヨ)


ふれあいコーナー

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  四日市市防災訓練 8月30日 三重県四日市市北勢きらら学園 4頭6名

 昨年に続き今年も参加要請があり、三重、和歌山、富山、京都から5頭6名が参加し、倒壊家屋からの救出訓練で要救助者の発見の任務を与えられた。
 当日は大雨洪水注意報・警報が出るなど悪天候のなかで行われた。前々日には観測史上稀にみるゲリラ豪雨に見舞われた東海地方であるだけに、訓練とはいえ参加者は真剣に取り組んでいた。
 災害救助犬の出場に際しては、参加府県の応援があることや災害救助犬の特性や有効性についてアナウンスがあり、ネットワークとしての存在が機能している点を紹介してもらった。
 消防レスキュー隊とのコンビで実際の捜索では1頭目で発見して吠え、2頭目の確認でも同じ場所で吠えた。救助隊に引き継ぎ、救出後、再度誰もいないことの確認作業まで行った。捜索の途中では水浸しの草むらを飛び跳ねるカエルを追う場面も見られたが、5分間の制限時間内に無事役割を終えた。
 こうした見せる訓練では、発見してもご褒美はないので、犬にはストレスを残しているのではないかと思える。訓練後は楽しい捜索のケアが必要かもしれない。また、こうした防災訓練はスケジュールが優先されがちで、犬の特性が生かされないことも多々ある。各地での災害出動は行政、消防、警察、自衛隊等と協力して動くことになるので、交流だけでなく、災害救助犬の特性のみならず難点なども理解してもらったうえで参加する必要性を感じる。




捜索待機


一頭目、発見



2頭目、発見確認


レスキュー隊の救出作業を見守る



救出後のさらに2頭で再確認


家屋に人がいないことを報告し撤収

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  美里町防災訓練 9月1日 宮城県遠田郡美里町南郷支所 4頭6名

 昨年に続き今年も参加要請があり、岩手、宮城から4頭6名が参加した。昨年は町の単独事業であったが、今年は県との共催ということで79団体3000名が参加した大規模なものとなった。また、宮城・岩手内陸地震直後であり、県として初めて災害救助犬を防災訓練に参加させるということで防災関係者は熱心に観察されていた。
 災害救助犬の任務は1回目は倒壊家屋2棟に一人づつの要救助者がいて、それぞれ別々に捜索する設定となっていた。2棟とも1頭目で発見、2頭目で確認作業も問題な終えたが、2回目の捜索作業である3階建てビルの1階部分の駐車場での車内捜索では、予定時間を1頭目で使ってしまい、2頭目の確認作業ができず、救出作業が移ってしまったが、救出後に再確認作業に切り替え、無事役割を終えた。
 たくさんの防災関係者が参加しているので、災害救助犬の特性をアピールする機会と意気込んでいたが、計画策定段階からの関わりをしていなかったので思うようには行動できなかった。
 宮城・岩手内陸地震では、私たち以外にも多くの災害救助犬が出動したこともあり、その特性はいくらかは認識されてきていると思われるが、もっと広く訴求していかなければならないように感じる。そして、災害現場では協同作業することになる消防レスキュー隊との交流や訓練も日常的に行えることを望みたい。




捜索待機


たくさんのマスコミ取材



探せ!どこだ!


レスキュー隊の救出作業を見守る

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  三重県防災訓練 9月7日 三重県伊勢市サンアリーナ 4頭6名

 昨年は当日が大雨で急遽中止となったが、今年は晴天の中で行われた。三重、和歌山、富山、京都から4頭8名が参加した。他の2つの災害救助犬チームも参加し、それぞれ3ヶ所の現場から行方不明者の捜索発見作業にあたった。私たちは消防レスキュー隊と組んで倒壊家屋からの救出訓練で要救助者の発見の任務を与えられた。
 最初の救出訓練ということもあり、すべてのマスコミが始まる前から周囲を取り巻き騒然とした中での捜索を強いられた。しかし、災害現場というのもこういうものだからリアリティーはある。1頭目で発見告知、2頭目でさらに確認し、救出部隊に報告する、というシナリオを無事にこなした。
 細かな分単位のスケジュールなので、アクシデントには対応できないケースも生まれる。この日も春から4度にわたる事前の打ち合わせにもかかわらず、アクシデントが起こった。私たちの受け持つ倒壊家屋の中には、生体が12名いるはずであったので、かなりの臭いが充満するであろうから、大丈夫と思っていたが、本番3分前ぐらいに家屋の中が暑くていられないとのヘルパーのクレームがあったらしく、現場に行ってみれば入り口付近に12名が座っていた。中に入ってもらわなくては困る、という申し入れに、犬が来て倒壊家屋の前で吠えるというシナリオだけが現場に伝わり、どうして吠えるのか、どういう状況なら、災害救助犬を使うのか、といった特性、目的を持って災害救助犬が訓練に参加しているのかを周知されていないことを痛感した出来事であった。
 見せる目的もある訓練ではあるが、犬は承知してくれない。こうしたアクシデントに対応するためには、常に現場には私たちも立ち会っていなければいけないのだと感じた。結局、直前に2名だけが中に入り、他の10名は少し離れてもらい、見た目には役割は果たしたが、犬の戸惑いはあったようだ。
 各地でもアクシデントはあるはずだが、それに対応して最善策を見つける能力も求められるのであろう。すべて経験、現場から学ぶ意味でも私たちだけのマニュアルを押し通すばかりではなく、こうした訓練には積極的に参加し、市民、行政、消防、警察、自衛隊等との交流を通じて広報して行かなければ私たちの目的も達せられないように思える。




訓練会場サンアリーナ


いざ、出動



1頭目、発見


2頭目、発見確認



マスコミのインタビュー


閉会式

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  中国・四国管区合同広域緊急援助隊等災害警備訓練 11月12日
広島県安芸郡坂町広島県機動隊グラウンド 3頭4名

 2006年に初めて災害救助犬を活用した合同訓練を鳥取県で行った。中国5県と四国4件の広域警察隊が合同で行う災害警備訓練である。その有効活用を認識されたのか、再び合同で訓練を行うことになった。
 毎年、各県に訓練地を移し、今年は広島県で行われた。災害救助犬ネットワークからは3頭、4名(広島県)が参加した。前日にはリハーサルが行われ、イベント的要素も含まれるが、いざ災害となった時に役に立てる訓練となってほしい。
 当日は、岡山県の広域警察隊とチームを組み、広島県安芸郡を中心とした震度6の地震が発生し、倒壊家屋の中に要救助者がいないか、まず災害救助犬を使って捜索し、反応すれば広域警察隊が救助活動を開始する、という想定である。
 今年はマスコミの取材も多く、捜索している救助犬を近距離から追いかけるので捜索への集中を妨げることになりかねない。捜索活動以外にもリーダーは気を使わなければならない。
 一頭目が倒壊家屋で反応を示し告知したので、さらに2頭目を投入し、同様に告知したので救助隊に報告、救助要請して無事役割を終えた。
 阪神大震災以後、被災地以外での広域救助体制の整備、民間との協力体制のは積極的に取り組まれているように感じられる。
 このような訓練を通じて、いつ、どこで起こるかわからない災害に対応できるように、私たちに与えられるポジションを考え、体制整備に取り組まなければならない。




岡山広域警察隊との合同捜索訓練


いざ、マスコミ注視の中で捜索



1頭目、発見


2頭目、発見確認

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  大紀町防災訓練 12月7日 三重県大紀町錦漁港 5頭9名

 昭和19年12月7日の東南海地震で熊野灘の海岸沿い街は多くの犠牲者を出した。この大紀町錦地区も64名の犠牲者が出ており、最近の地震予知においても、近い時期に60%以上の高い確率で発生されると予知されているエリアでもある。
 避難場所である役場などは高台に新築されているが、住民の多くは海抜ゼロの海岸に住んでいるため津波による被害想定にはリアリティがあり訓練とは云えども真剣だ。国道42号線は地震、津波で寸断が想定されるため、海上保安庁の巡視船も海からの救護者、物資輸送のために参加した。
 訓練は晴天であったが風が強く冷たい。災害は天候を選んではくれない。季節はずれの防災訓練は過去の教訓を忘れないために毎年この日を選んで行われる。各地区3ヶ所で行われるため三重、和歌山、京都から5頭9名が参加した。メイン会場には2つの倒壊現場が作られ、それぞれ消防、自衛隊が救助訓練を行うようになっている。その2ヶ所とも災害救助犬に要救助者発見を要請され生存者の場所を特定するというものである。
 地震後津波に襲われ、各救助隊が集合し本部長の町長に到着報告し、まず消防隊とA地点に捜索に向かった。消防隊が確認に回ったが発見できず、災害救助犬に応援要請を求められ2頭3名がA地点で捜索入った。1頭目で発見、2頭目で確認し消防隊に救出要請を行った。
 続いて、B地点で自衛隊とチームを組んで捜索、発見し救助要請を行った。さらに救出後の再確認も行った。
 私たちは7時に集合し、訓練に備えていたが、いつもながら発見に至る時間は数十秒であるが、実際の現場では居場所、存在も不確定なので訓練のように簡単にはいかない。訓練は各救助隊とのチームワーク、交流のためには意義深いと思われる。しかし、人間の都合を優先すの訓練プログラムは犬には通じないのでケアが必要だ。



訓練会場 錦漁港


A地点の倒壊現場



救助隊の到着報告


1頭目、発見



2頭目の確認


消防の救助活動



自衛隊とのチームで捜索


救出後の再確認作業



誰もいないことを自衛隊に報告


閉会式

 大紀町では現在2頭が災害救助犬をめざし育成訓練中である。小さな町であるが私たちにとっては大きな一歩になってほしい。こうした地元での活動も身を結び、午後からコンベンションホールで行われるセミナーの前に災害救助犬のデモンストレーションを行えるように配慮いただいた。約80名ほどの住民、関係者が見守る中、災害救助犬の特性、活動実績、ネットワークの主旨などと服従、捜索作業を見てもらった。初めてのイベントでもあり拍手も出て好評であったと感じた。
 私たち災害救助犬は、まだまだ多くの社会で認知されているとは言い難い。あらゆる機会を通じて広報して行かなければないように思える。




デモ会場で全員9名で準備


多勢の住民の前でのデモになった



捜索デモ


住民の方に隠れてもらい発見

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